警察官を目指している方なら、「警察学校って学費がかかるの？」「在学中に給料はもらえるの？」といった疑問をお持ちではありませんか。
実は警察学校は一般的な学校とは大きく異なる制度を採用しており、学費不要で給料がもらえる特別な教育機関なのです。
この記事では、警察学校の給料システムから入校方法まで、初心者の方にも分かりやすく丁寧に説明していきます。
警察学校の給料システム – 学費ゼロで給料がもらえる理由
「警察学校って普通の学校と違うの？」そんな疑問を抱く方も多いでしょう。警察学校は名前に「学校」とついていますが、実は既に警察官として採用された人が通う研修施設という位置づけなのです。
つまり、入校と同時に公務員としての身分を得ることになり、学費を払うどころか給料をもらいながら勉強できるという仕組みになっています。
警察学校入校時の給料額について
警察学校での給料は、学歴によって大きく異なります。各都道府県によって多少の差はありますが、一般的な例を挙げてみましょう。
大学卒業者の場合、月額約21万円から25万円程度が基本給として支給されます。
一方、高校卒業者の場合は月額約18万円から22万円程度となるケースが多いです。この金額は地域によって変動があり、特に首都圏などの都市部では地域手当が加算されるため、より高額になる傾向があります。
例えば、警視庁の場合を見てみると、大学卒業者（I類採用）の初任給は約30万円、高校卒業者（III類採用）の初任給は約26万円となっています。これは基本給に地域手当20%が加算された金額です。
警察学校での諸費用と手取り額
ただし、警察学校での生活には一定の費用が発生することも覚えておきましょう。主な費用としては以下のようなものがあります：
- 教科書代や参考書代
- 柔道着や剣道着などの装備品
- 寮生活での食費（月額約3万円程度）
- 光熱費などの生活費
多くの警察学校では、入校時に約10万円から15万円程度の初期費用が必要になります。
また、月々の食費や光熱費として3万円から4万円程度が給料から差し引かれるため、実際の手取り額は基本給よりも少なくなることを理解しておく必要があります。
ボーナスや各種手当について
警察学校在学中でも、一般の公務員と同様にボーナス（期末・勤勉手当）が支給されます。年間で約4.5か月分から4.8か月分のボーナスが支給されるため、年収ベースで考えると相当な金額になります。
また、扶養家族がいる場合は扶養手当も支給されますし、通勤手当や住居手当など、公務員として各種手当を受けることができます。
警察学校の入校方法と期間
「警察学校に入るにはどうしたらいいの？」という疑問にお答えしましょう。警察学校への入校は、警察官採用試験に合格することが前提となります。
警察官採用試験の種類
警察官になるための試験は、大きく分けて2つのルートがあります。
国家公務員試験：これは警察庁で働くキャリア組を目指す場合の試験です。警察庁は国の機関であり、全国の警察組織を統括する役割を担っています。国家公務員試験に合格した場合、警察大学校で研修を受けることになります。
都道府県警察官採用試験：一般的に多くの人が受験するのがこちらの試験です。各都道府県が実施しており、地方公務員として働く警察官を採用するための試験となります。
警察官採用試験の内容
警察官採用試験は、1次試験と2次試験に分かれています。
1次試験では、教養試験が実施されます。これは一般的な知識や教養を問う試験で、国語、数学、社会、理科、英語などの基本的な学力が問われます。
2次試験では、より実践的な内容が試されます：
- 論作文試験
- 面接試験
- 身体検査
- 体力検査
- 適性検査
特に体力検査では、警察官として必要な身体能力が厳しくチェックされます。反復横跳び、腕立て伏せ、握力測定、持久走などが実施されるため、日頃からの体力づくりが重要になります。
資格加点制度の活用
多くの都道府県では、特定の資格を持っている受験者に対して1次試験で加点する制度を設けています。対象となる資格は各都道府県によって異なりますが、一般的には以下のような資格が対象となることが多いです：
- 普通自動車免許
- 大型自動車免許
- 柔道・剣道の段位
- 簿記検定
- 情報処理技術者試験
- TOEIC等の英語検定
これらの資格を持っていると、合格により近づくことができるでしょう。
警察学校での研修期間
警察官採用試験に合格すると、4月または10月に警察学校に入校します。研修期間は学歴によって大きく異なり、大学卒業者は約6か月、高校卒業者は約10か月の研修を受けることになります。
この期間中は、寮生活を送りながら警察官として必要な知識と技術を身につけることになります。
警察学校で学ぶ内容と日々の生活
「警察学校って実際にどんなことを学ぶの？」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。警察学校では、理論と実践の両面から警察官としての基礎を徹底的に学びます。
学習内容の詳細
法律関係の授業 憲法、刑法、刑事訴訟法、道路交通法など、警察官として必要な法律知識を学びます。特に憲法は国民の基本的人権を守る警察官として最も重要な科目の一つです。
実務関係の授業 事件捜査の基本、交通取締りの方法、防犯活動の進め方など、現場で直接役立つ実務知識を習得します。
鑑識技術 指紋採取、現場保存、証拠収集など、科学的な捜査技術についても学びます。
武道・体育 柔道または剣道を必修科目として学びます。また、逮捕術、拳銃操法、二輪操縦など、警察官として必要な身体的技能も身につけます。
警察学校の一日
警察学校での一日は、規則正しいスケジュールに従って進められます。
朝は6時頃に起床し、点呼や清掃から始まります。朝食後は午前中に座学の授業、午後は実技訓練というパターンが一般的です。夕方は自主学習の時間が設けられ、その後夕食、入浴、就寝という流れになります。
土日は基本的に休日ですが、定期的に外出制限がかけられることもあります。また、試験前などは外出が制限される場合もあるため、プライベートの時間は限られると考えておいた方が良いでしょう。
寮生活での注意点
警察学校では基本的に寮生活を送ることになります。部屋は相部屋の場合が多く、プライベート空間は限られています。
寮生活では、規則正しい生活習慣を身につけることが重要視されます。また、同期生との協調性や集団生活でのマナーも評価の対象となるため、人間関係の構築にも気を配る必要があります。
警察学校卒業後のキャリアと給料
「警察学校を卒業したら、どんな仕事をするの？」そんな疑問にお答えしましょう。警察学校を卒業すると、各警察署に配属されて実際の警察業務に従事することになります。
初任配属と職場実習
警察学校卒業後は、通常、地域の警察署に配属され、交番勤務から始まることが多いです。この期間は「職場実習」と位置づけられ、先輩警察官の指導を受けながら実際の警察業務を覚えていきます。
交番勤務では、地域住民との接触機会が多く、様々な相談や事件に対応することになります。落とし物の受理、道案内、家族間トラブルの仲裁など、地域の安全を守る最前線で活動することになります。
給料の変化と昇進
警察官の給料は、勤務年数や昇進によって大きく変わります。
初任給から2年目への変化 例えば、大阪府警察の場合、大学卒業者の初任給は約25万円ですが、採用1年後の平均給与は約32万円と、大幅にアップします。これは各種手当の充実や昇給制度によるものです。
昇進による給料アップ 警察官の昇進制度は、巡査→巡査長→巡査部長→警部補→警部→警視→警視正→警視長→警視監→警視総監という階級になっています。
昇進は競争試験や選考によって決まり、性別や学歴に関係なく、実力と成績によって評価されます。優秀な成績を収めれば、比較的短期間での昇進も可能です。
地域による給料格差
警察官の給料は全国一律ではなく、都道府県によって大きな差があります。
首都圏の警察官 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県などの首都圏では、地域手当が高く設定されているため、他の地域よりも給料が高くなります。
地方の警察官 一方、地方の警察官は首都圏と比べると給料は低めですが、生活費も安いため、実質的な生活水準はそれほど変わらない場合もあります。
また、地方では地域密着型の警察活動が重視されるため、やりがいという面では非常に大きなものがあります。
まとめ
警察学校の給料システムについて、いかがでしたでしょうか。一般的な学校とは全く異なり、学費不要で給料をもらいながら学べる特別な制度であることがお分かりいただけたと思います。
警察官という仕事は、社会の安全を守る責任重大な職業ですが、その分安定した収入と充実した福利厚生が保証されています。警察学校での研修期間中も公務員としての待遇を受けられるため、経済的な心配をすることなく勉強に集中できるでしょう。
警察官を目指す方は、まず警察官採用試験の合格を目標に、しっかりと準備を進めることが大切です。体力づくりと学力向上を両立させながら、将来の夢に向かって頑張ってください。
- 警察学校の学費はいくらかかりますか？
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警察学校に学費は一切かかりません。警察学校の学生は既に警察官として採用された公務員のため、学費を払うのではなく給料をもらいながら研修を受けることができます。ただし、教科書代や柔道着・剣道着などの費用として約10万円から15万円程度の初期費用が必要になります。
- 警察学校在学中の給料はどのくらいもらえますか？
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警察学校在学中の給料は学歴によって異なります。大学卒業者の場合は月額約21万円から30万円程度、高校卒業者の場合は月額約18万円から26万円程度が基本給として支給されます。この金額は地域によって差があり、首都圏などでは地域手当が加算されるため、より高額になります。また、年間4.5か月分程度のボーナスも支給されます。
- 警察学校の研修期間はどのくらいですか？
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警察学校の研修期間は学歴によって異なります。大学卒業者は約6か月、高校卒業者は約10か月の研修を受けることになります。この期間中は寮生活を送りながら、警察官として必要な法律知識、実務技能、武道、体力訓練などを学びます。研修期間中も公務員としての給料が支給されます。
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