保育園への入園を希望するとき、「時短勤務だと入れないのでは?」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
育休明けの復帰や新たな職場での働き方を考える際、保育園の入園は大きな課題です。時短勤務でも保育園入園は可能なのか、どのように保活を進めればよいのか、その疑問にお答えします。
時短勤務と保育園入園の基本知識
時短勤務で働くママやパパにとって、保育園への入園は仕事と育児を両立する上で欠かせない支援です。
保育園は働く親のための施設であり、就労形態に関わらず入園を申し込むことができますが、地域や状況によって審査のポイントが異なります。
保育園入園のための条件とは?
保育園に子どもを入園させるためには「保育の必要性」を満たしていることが大前提となります。こども家庭庁が定める保育の必要性の条件には以下のようなものがあります。
- 就労(フルタイム、パートタイム、夜間勤務など)
- 妊娠・出産
- 疾病・障害
- 親族の介護・看護
- 災害復旧
- 求職活動
- 就学(職業訓練を含む)
- 虐待やDVのおそれ
時短勤務は「就労」に該当するため、基本的に保育園入園の申し込み条件を満たしています。
ただし、市区町村によっては最低就労時間の条件があり、その時間数を満たしていないと申し込みができなかったり、入園審査に不利になったりする場合があります。
例えば、東京23区の多くは月48時間以上の就労が条件となっています。新宿区、台東区、中央区なども「月48時間以上の就労を常態」としています。
一方で、千代田区は「週3日以上かつ1日4時間以上」、練馬区は「月12日以上15日以下の就労かつ4時間以上5時間未満を常態」というように、区ごとに細かな違いがあります。
保育時間の種類と時短勤務の関係
保育園には「保育標準時間」と「保育短時間」の2種類の認定区分があります。
- 保育標準時間認定:最長11時間の保育を受けられる区分です。フルタイム勤務の人向け。
- 保育短時間認定:最長8時間の保育を受けられる区分です。時短勤務やパートで働く人向け。
時短勤務で働く場合、基本的には「保育短時間」の認定になることが多いです。これは就労時間に応じて必要な保育時間を提供するという考え方に基づいています。しかし、時短勤務でも通勤時間が長い場合など、状況によっては「保育標準時間」が認められることもあります。
重要なのは、就労証明書に記載されている勤務時間と実際の勤務時間が一致していることです。入園後に不正が発覚すると、最悪の場合は入園取消になる可能性もあります。
時短勤務での保育園入園審査のポイント

時短勤務で保育園に申し込む場合、入園審査においてどのような点が重視されるのでしょうか。自治体によって基準は異なりますが、一般的な審査のポイントを見ていきましょう。
入園審査の点数制度を理解する
多くの自治体では、保育園の入園審査を「点数制」で行っています。この点数は主に以下の要素で構成されています。
- 基準指数:保護者の就労状況や家庭環境を点数化したもの
- 調整指数:特別な事情による加点・減点
時短勤務の場合、就労時間がフルタイムより短いため、基準指数がフルタイム勤務より低くなる傾向があります。例えば、ある自治体では月160時間以上の就労で10点、月120時間以上160時間未満で8点、月64時間以上120時間未満で6点というように、就労時間によって点数が変わることがあります。
加点されやすい要素としては、以下のようなものがあります。
- ひとり親家庭
- 生活保護受給世帯
- 障害のある子どもや親
- 既に認可外保育施設を利用している
- 兄弟姉妹が同じ保育園に通っている
一方、減点要素としては以下が挙げられます。
- 同居の親族(祖父母など)が子どもの世話をできる状況
- 自営業で子どもを見ながら仕事ができる
自分の状況を客観的に把握し、どのくらいの点数になるかを事前に確認しておきましょう。多くの自治体では、公式サイトで点数基準を公開しています。また、過去の入園状況も参考になるので、役所の窓口で相談してみることをおすすめします。
よくある質問と対応策
時短勤務と保育園に関する疑問について、よくある質問と回答をまとめました。
- 時短勤務だと入園審査で不利になりますか?
-
自治体によって異なりますが、就労時間が基準指数に影響する場合、フルタイム勤務より点数が低くなる可能性があります。しかし、他の加点要素や保育園の空き状況によっては入園できることもあります。事前に自治体の担当窓口で相談することをおすすめします。
- フルタイムで入園した後、時短勤務に変更するとばれますか?
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はい、ばれます。保育園では復職証明書の提出が必要なため、申請内容と実態が異なると不正と判断される可能性があります。不正が発覚した場合、入園取消になることもあるので注意が必要です。フルタイムで申請した場合は、少なくとも数か月はフルタイムで勤務することが望ましいでしょう。
- 時短勤務で入園後、フルタイム勤務に変更できますか?
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基本的には可能です。ただし、保育時間の変更が必要になるため、事前に保育園や自治体に相談が必要です。延長保育の定員に余裕があるかどうかも確認しましょう。通勤時間がない在宅勤務を取り入れる選択肢もあります。
- 時短勤務と同じ労働時間でもパートは不利ですか?
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多くの自治体では、同じ労働時間であれば雇用形態(正社員かパートか)で点数に差をつけることはありません。ただし、将来的なキャリアや収入を考えると、同じ労働時間なら正社員の時短勤務の方が安定していると言えるでしょう。
時短勤務ママ・パパの保活成功のポイント

時短勤務で働く場合の保活を成功させるためのポイントを4つご紹介します。情報収集と事前準備が鍵となります。
情報収集と事前準備を徹底しよう
1. 保育園ごとの空き状況や過去の倍率を調べる
保育園の案内リーフレットやウェブサイトを確認し、まずは基本情報を収集しましょう。その上で、以下のような情報を役所で確認するとよいでしょう。
- 保育園ごとの過去の応募数
- 子どもの年齢ごとの倍率
- 入園が決まった人の申請条件
複数の保育園を候補にしておくことが大切です。なぜなら、クラスに空きがなければそもそも募集されないためです。「育休中で子どもが○歳、○月に職場復帰予定です。時短勤務の場合の点数や、希望する保育園の空き状況、昨年の倍率を教えてください」と具体的に質問すると、役立つ情報が得られやすいでしょう。
2. 子育て支援センター等でも情報収集する
育休中に子育て支援センターや児童館を利用してみましょう。同じ地域で子育てをしているママ・パパから貴重な保育園情報を得られることがあります。また、子育て支援センターの職員は保育園事情に詳しいことも多いので、相談してみると良いでしょう。
「この地域だと、○○保育園は人気があるけど、△△保育園は比較的入りやすいわよ」といった生の情報が得られるかもしれません。
3. 保育園を見学して雰囲気を掴む
募集状況や立地だけで保育園を選ぶのではなく、実際に見学して雰囲気を確認することが大切です。各保育園によって方針や設備は異なります。
さらに、送迎の時間帯に保育園の周りを散歩してみると、どのような時間帯にお迎えに来る親が多いかが分かります。16〜17時頃にお迎えが多ければ時短勤務の親が多い可能性が高く、18時頃のお迎えが多ければフルタイム勤務の親が多いと推測できます。自分の働き方と合った保育園を選ぶ参考になるでしょう。
4. 万が一に備えて育休延長について確認しておく
保育園に入れなかった場合の対策として、育休延長の可能性も検討しておきましょう。保育園が見つからないなどのやむを得ない事情がある場合、育休を半年ずつ延長し、最長で子どもが2歳になるまで取得できます。
育休を1歳以降に延長しても育児給付金が継続して支給されるため、経済的なダメージを抑えることができます。保活の万が一に備えて、会社の規定などをあらかじめ確認しておくと安心です。
時短勤務で保育園に入れない場合の対策
万全の準備をしていても、保育園に入れないケースもあります。その場合に取れる対策をいくつかご紹介します。
1. 育休を延長して入園のタイミングを待つ
保育園に入れなかった場合、育休を延長して次の入園時期を待つ選択肢があります。多くの地域では0歳児クラスよりも2〜3歳児クラスの方が比較的入りやすい傾向があります。育休を延長して1歳半や2歳の入園を目指す方法も検討してみましょう。
2. 認可外保育園の活用
早期に職場復帰を目指す場合は、認可外保育園の利用も考えましょう。認可外保育園の中には、早朝預かりや延長保育に対応していたり、英会話やリトミックなど特色あるプログラムを提供していたりするところもあります。
認可外保育園に入園しつつ、認可保育園の空きを待つという方法もあります。また、一部の自治体では、認可外保育園に一定期間在園していると、認可保育園の入園審査で加点される場合もあります。
3. 保育ママ制度の利用
保育ママ(家庭的保育者)制度を活用する方法もあります。保育ママは、家庭的な環境で最大3人までの子どもを預かってくれるサービスです。保育園のように集団での関わりは少ないものの、少人数でアットホームな環境が魅力です。
ただし、保育ママの体調不良などにより休園になることもありますので、バックアップ体制についても確認しておくといいでしょう。
時短勤務で働きながら子育てをする道は、決して平坦ではありませんが、十分な情報収集と計画的な準備で乗り越えられるはずです。自分と家族にとって最適な選択をするために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。保育園探しで悩んだときは、一人で抱え込まず、自治体の窓口や先輩ママ・パパに相談することも大切ですよ。
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