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育休明けに「有給休暇なし」と言われたら?知っておきたい法律と対処法

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育休から職場復帰したとき、「有給休暇はありません」と言われてしまったら、どうすればいいのでしょうか?

子どもが急に熱を出したときや体調を崩したとき、有給休暇が使えないのは大きな不安ですよね。

実は、育休中でも有給休暇は付与されるのが原則です。この記事では、育休明けの有給休暇について正しい知識と対処法を解説します。

なぜ有給がないと言われるのか、実際にはどうなのか、法律に照らして考えていきましょう。

目次

育休中も有給休暇は付与される!知っておきたい基本ルール

育児休業中は働いていないため、有給休暇が付与されないと思っている方も多いのではないでしょうか?

しかし、法律上は育休中でも有給休暇は付与されます。なぜそうなるのか、基本的なルールを理解しておきましょう。職場で「有給なし」と言われても、自信を持って対応するための知識が必要です。

育休中は「出勤したもの」としてみなされる

「育休中は仕事をしていないから有給休暇がもらえないのでは?」と思うかもしれませんが、実はそうではありません。

労働基準法では、育児・介護休業法に基づく育児休業期間は、出勤率の計算において「出勤したものとみなす」と定めています。

有給休暇の付与条件は「6ヶ月間継続勤務し、かつ、全労働日の8割以上出勤すること」ですが、育休期間中は実際には出勤していなくても、法律上は「出勤した」ことになるのです。

つまり、育休中の社員も、勤続年数に応じて毎年有給休暇が付与されるべきなのです。

例えば、通常の社員であれば勤続6ヶ月で10日、その後1年ごとに日数が増えていきますが、育休中の社員にも同じように付与されるべきです。この点、多くの企業で誤解されていることがあります。

「でも、会社から『育休中は有給休暇がない』と言われました」という声をよく聞きますが、これは法律の誤解または不適切な運用です。復帰後に「有給なし」と言われた場合は、法律に基づいて説明を求める権利があります。

勤続年数に応じた有給休暇の付与日数

有給休暇の付与日数は、勤続年数によって変わります。正社員や、週5日以上かつ週30時間以上働くパートタイム労働者の場合、以下のような日数が付与されます。

勤続年数有給休暇の付与日数
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月14日
4年6ヶ月16日
5年6ヶ月18日
6年6ヶ月以上20日

例えば、入社して4年半が経過した時点で育休に入った場合、その後も勤続年数はカウントされ続けます。育休中の1年間が経過したら、勤続5年6ヶ月となり、18日の有給休暇が付与されるのです。

「育休中だから有給は付かない」というのは誤りで、育休中も勤続年数に応じた有給休暇が付与されるというのが法律の正しい解釈です。

よくある誤解と本当の姿:事例で理解する育休後の有給休暇

実際の事例を通じて、育休明けの有給休暇について考えてみましょう。企業の中には誤った理解で対応しているケースも少なくありません。

あなたの状況に近い事例があれば参考にしてみてください。正しい知識があれば、不当な扱いを受けたときに自信を持って対応できるはずです。

「産休前に使い切ったから0日」は誤り

よくあるケースとして、「産休前に有給休暇をすべて使い切ったから、復帰時には0日しかありません」と言われることがあります。

確かに、産前の体調不良や検診のために多くの有給休暇を使うことはよくあることです。

しかし、これは誤った理解です。産休前に有給休暇をすべて使い切っていたとしても、育休中に新たに付与される有給休暇があるはずです。

たとえば、次のようなケースを考えてみましょう:

  • 2021年4月1日に入社し、正社員として勤務
  • 2023年9月1日から産休・育休に入った
  • 産休前に持っていた有給休暇はすべて使い切った
  • 2025年4月1日に復帰予定

この場合、2023年10月1日(入社から2年6ヶ月後)に12日、2024年10月1日(入社から3年6ヶ月後)に14日の有給休暇が付与されます。

したがって、2025年4月1日の復帰時には26日の有給休暇を持っていることになります。

「でも会社は『有給はない』と言っています…」という場合、会社が法律を正しく理解していない可能性があります。このような状況では、労働基準法の規定を丁寧に説明し、適切な対応を求めることが大切です。

実例:復帰後4ヶ月の有給休暇計算

具体的な計算例を見てみましょう。以下の条件で有給休暇の日数を計算してみます。

  • 2018年4月1日に正社員として入社
  • 2022年9月1日から産休・育休に入った
  • 産休前に有給休暇はすべて使い切った
  • 2024年1月10日に復帰した

この場合の有給休暇はどうなるでしょうか?

4月1日入社の場合、最初の有給付与日は10月1日です。育休中も勤続年数に加算されるため:

  • 2022年10月1日(入社4年6ヶ月):16日付与
  • 2023年10月1日(入社5年6ヶ月):18日付与

したがって、2024年1月10日の復帰時には34日の有給休暇を持っていることになります。

「そんなに多くの有給があるとは知りませんでした」と思った方も多いのではないでしょうか。育休中も有給休暇は付与され続けるため、長期間の育休を取った場合は復帰時にかなりの日数が貯まっていることもあるのです。

有給休暇が認められないときの対処法

「有給休暇はない」と言われたとき、どのように対応すればよいのでしょうか?感情的にならず、法律に基づいて冷静に対応することが大切です。具体的な対処法を見ていきましょう。

会社に説明を求める方法

まずは会社に対して、なぜ有給休暇が付与されないのか、文書で説明を求めましょう。その際、以下のようなステップで進めると良いでしょう。

  1. 丁寧に質問する:「育休中も有給休暇は付与されると法律で定められていると理解していますが、なぜ私には付与されないのでしょうか?」と穏やかに尋ねる
  2. 根拠の提示を求める:「有給休暇が付与されない理由を、就業規則や法律の根拠とともに教えていただけませんか?」と根拠の提示を求める
  3. 文書での回答を依頼する:「ご回答を文書でいただけると助かります」と伝える

会社側の回答が「育休中だから」「出勤していなかったから」というものであれば、労働基準法で育休期間は出勤したものとみなすと定められていることを伝えましょう。

「どう伝えたらいいか不安…」という方は、厚生労働省のウェブサイトなどの公的な情報を印刷して持参するのも一つの方法です。

労働基準監督署への相談

会社との交渉がうまくいかない場合は、労働基準監督署に相談することも検討しましょう。労働基準監督署では、労働基準法に関する相談を無料で受け付けています。

相談の際には、以下の情報を整理しておくと話がスムーズに進みます:

  • 入社日
  • 産休・育休の期間
  • 会社から言われた内容
  • これまでの会社とのやり取り

労働基準監督署から会社に対して指導が入ることもあります。法律に違反している場合、会社は是正するよう求められます。

「会社との関係が悪くなりそうで心配…」という気持ちもあるかもしれませんが、有給休暇の付与は労働者の権利です。特に子育て中は、子どもの急な体調不良などで有給休暇が必要になることも多いでしょう。自分の権利をしっかり主張することも大切です。

育休後の働き方と有給休暇の活用法

育休明けは、仕事と育児の両立で大変な時期です。有給休暇を上手に活用して、負担を軽減しましょう。ここでは、育休後の働き方のコツと有給休暇の効果的な使い方をご紹介します。

子どもの急な体調不良に備えて

子どもが小さいうちは、突然の発熱やケガなどで急に休まなければならないことがよくあります。こんなときに有給休暇が使えると安心ですね。

効果的に有給休暇を活用するためのポイントは以下の通りです:

  1. 計画的に使う: 子どもの定期健診や予防接種など、事前にわかっている用事には計画的に有給休暇を取得しましょう。早めに上司に伝えておくと職場も調整しやすくなります。
  2. 半日単位で使う: 多くの企業では半日単位での有給取得も可能です。午前中だけ休んで午後から出勤するなど、柔軟に活用しましょう。
  3. 時間単位の有給制度を確認する: 企業によっては時間単位で有給休暇を取得できる制度があります。1時間単位で取得できれば、子どもの送迎や急な呼び出しにも対応しやすくなります。

「子どもの体調不良で頻繁に休むと職場に迷惑をかけそう…」と心配する方も多いと思いますが、有給休暇は労働者の権利です。遠慮せずに活用しましょう。

会社の制度を確認・活用しよう

育児と仕事の両立には、有給休暇以外にも活用できる制度があります。会社の制度をよく確認し、活用しましょう。

  1. 子の看護休暇: 小学校就学前の子どもを養育する労働者は、年に5日(子どもが2人以上の場合は10日)まで、子の看護休暇を取得できます。多くの会社では有給としている場合もありますので、確認してみましょう。
  2. 時短勤務制度: 3歳未満の子を養育する労働者は、短時間勤務制度を利用できます。会社によっては小学校入学前や小学校3年生までなど、法定以上の期間で利用できることもあります。
  3. テレワーク制度: 在宅勤務ができれば、子どもの様子を見ながら仕事ができることもあります。会社にテレワーク制度があるか確認してみましょう。

「この制度、使えるのかな…」と思ったら、遠慮せずに人事部や上司に相談してみることをおすすめします。会社によっては、育児中の社員をサポートするための独自の制度を設けていることもあります。

まとめ:自分の権利を知り、適切に対応しよう

育休明けに「有給休暇はない」と言われても、法律上はしっかりと付与されるべきものです。自分の権利を知り、適切に対応することが大切です。最後に重要なポイントをまとめておきましょう。

  • 育休中も勤続年数に応じて有給休暇は付与される
  • 産休前に有給を使い切っていても、育休中に新たに付与される
  • 有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社は正当な理由なく拒否できない
  • 会社と交渉がうまくいかない場合は労働基準監督署に相談する
  • 子育てと仕事の両立には、有給休暇以外にも活用できる制度を確認しよう

育児と仕事の両立は大変ですが、法律で守られている権利をしっかり行使して、無理なく働き続けられる環境を整えていきましょう。困ったときは一人で悩まず、専門家や公的機関に相談することも検討してくださいね。

よくある質問

育休中に有給休暇は付与されますか?

はい、育休中も勤続年数に応じて有給休暇は付与されます。労働基準法では育児休業期間中は出勤率の計算において「出勤したものとみなす」と定めています。そのため、育休明けには新たに付与された有給休暇が利用できるはずです。

会社から「育休明けは有給なし」と言われました。どうすればいいですか?

まずは会社に対して、なぜ有給休暇が付与されないのか文書での説明を求めましょう。その際、育休中も勤続年数に応じた有給休暇が付与されると法律で定められていることを伝えてください。会社との交渉がうまくいかない場合は、お近くの労働基準監督署に相談することも検討しましょう。

育休前に有給休暇を全部使い切りました。復帰後は本当に0日なのでしょうか?

いいえ、育休前に有給休暇をすべて使い切っていたとしても、育休中に新たに付与される有給休暇があるはずです。例えば1年間の育休を取得した場合、その間に勤続年数も1年増えるため、それに応じた有給休暇が新たに付与されます。復帰時には必ず有給休暇があるはずですので、会社にしっかり確認しましょう。

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