食品ロスが社会問題となる中、廃棄予定の食品を活用する動きが広がっています。
コンビニやスーパー、飲食店などで賞味期限が近いなどの理由で廃棄される食品を譲ってもらうことは、環境にも家計にもやさしい選択として注目されています。
この記事では、廃棄食品をもらう方法や注意点について、初心者の方でも実践できるよう詳しく解説します。
廃棄食品をもらうということ:基礎知識と心構え

日本では年間約600万トンもの食品ロスが発生しているってご存知でしたか?
その多くは、まだ食べられるのに捨てられてしまう「もったいない」食品です。そんな中、フードロスを減らす取り組みとして、廃棄予定食品の活用が注目されています。
ただ闇雲にお店に頼み込むのではなく、適切な方法とマナーを知ることで、お店側にも迷惑をかけず、自分自身も安全に廃棄食品を活用することができるんですよ。
廃棄食品をもらう方法:アプリから対面まで様々な選択肢
廃棄食品をもらう方法は意外と多様です。近年では便利なアプリやサービスも登場し、初心者でも参加しやすくなっています。まずは代表的な方法をいくつか見ていきましょう。
フードシェアリングアプリは最も手軽な方法の一つです。「TABETE」「FOOD GO」「KURADASHI」などのアプリでは、賞味期限が近い食品や売れ残り商品をお得に購入できます。
使い方はとても簡単で、アプリをダウンロードして会員登録するだけ。あとは近くの参加店舗を探して、気になる商品を予約するだけなんです。
「明日閉店までに取りに行けます」という予約に、店舗が「OKです」と応えるとマッチング成立!通常価格の3割〜5割程度で購入できることが多いですよ。
もう少し昔からある方法としては、閉店間際のお店を訪れる「お見積り交渉」があります。特にパン屋さんやお惣菜コーナーでは、閉店間際になると値引きされることが多いです。
でも単に値引き品を買うだけでなく、「明日には売れ残りそうな商品があれば、今日引き取ることもできますが…」と遠回しに伝えてみると、店員さんが対応してくれることもあるんです。
地域によっては「フードバンク」も活動しています。企業や農家から寄付された食品を必要な人に無料で提供するシステムです。
ただし、多くは生活困窮者支援が目的なので、参加条件があることを理解しておきましょう。フードバンク活動については、地域の社会福祉協議会やNPO団体のウェブサイトで情報を得られることが多いです。
最近ではSNSを活用した「フードシェアリングコミュニティ」も増えています。
Facebookグループなどで「◯◯地域の食品シェア」といった名前のコミュニティがあり、個人間で余った食材やおすそ分けをシェアしていることもあります。
こうしたコミュニティに参加すれば、廃棄予定の食品をもらえる可能性もあるでしょう。
廃棄食品をもらう際の注意点と安全に関する知識
廃棄食品をもらうことは素晴らしい取り組みですが、いくつか注意点もあります。安全に活用するためのポイントをご紹介します。
まず最も重要なのは、食品の安全性を自分で判断できるようになることです。賞味期限と消費期限の違いを理解していますか?
賞味期限は「おいしく食べられる期限」で、過ぎても安全に食べられることが多いです。一方、消費期限は「安全に食べられる期限」なので、この日付を過ぎたら食べない方が安全です。
実際に食品を手にしたら、以下のポイントをチェックしましょう:
- 見た目:変色や異物がないか
- 匂い:異臭はないか
- 触感:ネバつきや固さに異変はないか
- 包装:破れやふくらみはないか
これらに少しでも異常があれば、残念ですが廃棄するべきです。「もったいない」という気持ちは大切ですが、健康リスクを冒すことはありません。
また、もらった食品の保存方法にも気を配りましょう。特に夏場は食中毒リスクが高まります。
冷蔵・冷凍が必要な食品は、できるだけ早く適切な環境で保存することが大切です。「常温で2時間以上経過した食品は要注意」という食品衛生の基本ルールを覚えておくと役立ちますよ。
さらに、一度に大量の食品をもらっても消費しきれなければ、結局家庭でロスが発生してしまいます。
自分や家族が実際に食べられる量を見極めて、適量をもらうようにしましょう。冷凍保存ができるものなら、小分けにして保存すれば長持ちさせることもできます。
お店側の立場を理解し、マナーある行動を
廃棄食品をもらう際には、お店側の立場も理解することが大切です。お店にとって廃棄食品を提供することにはメリットもありますが、リスクやデメリットもあるのです。
多くの小売店では、廃棄食品の提供に関して厳格なルールを設けています。なぜなら、食品提供後の食中毒リスクや、廃棄品を目的に客が集まることで通常販売に影響が出る可能性もあるからです。
「うちは法人のルールで廃棄品の提供はできない」と断られた場合は、その決まりを尊重しましょう。強引に交渉することはマナー違反です。
また、お店を訪れる際のタイミングも重要です。閉店間際や開店直後など、お店が忙しい時間帯は避けるのがベターです。
従業員の方が落ち着いて対応できる時間帯を選びましょう。「いつもお世話になっています。もし廃棄予定の商品があれば、ありがたくいただけないでしょうか」といった丁寧な言葉遣いも心がけたいですね。
感謝の気持ちを表すことも大切です。廃棄食品を提供してもらったら、「ありがとうございます、大切にいただきます」と伝えましょう。継続的にもらえる関係を築くことができるかもしれません。
もう一つ知っておきたいのは、一部の食品メーカーでは賞味期限切れ間近の商品を社員に格安で販売する「社販」を行っていることです。
知り合いにそうした企業に勤めている方がいれば、おすそ分けしてもらえることもあるかもしれませんよ。
廃棄食品活用の先にある持続可能な食生活
廃棄食品をもらうことは、単にお金を節約するだけでなく、持続可能な社会への一歩でもあります。この活動を続ける中で、さらに食品ロス削減に貢献できる習慣も身につけていきましょう。
まず、廃棄食品を活用する技術を磨くことをお勧めします。少し傷んだ野菜はスープに、硬くなったパンはフレンチトーストやラスクに、余った料理はアレンジしてリメイク料理に…食材を無駄なく使い切る調理法を学ぶことで、家庭での食品ロスも減らせます。
料理レシピサイトやSNSで「リメイクレシピ」「食品ロス削減レシピ」などで検索すると、様々なアイデアが見つかりますよ。
また、もらった食品が多すぎて消費しきれない場合は、自分もシェアする側になってみましょう。
友人や近所の方に「おすそ分け」することで、コミュニティの中での食品の循環が生まれます。最近では「おすそわけアプリ」も登場し、個人間での食品シェアがより簡単になっています。
さらに、廃棄食品をもらう活動を通じて、食品ロスについての理解が深まったら、次のステップとして「計画的な買い物」を心がけることも大切です。
冷蔵庫の中身を確認してから買い物に行く、使い切れる量だけ購入する、セールに惑わされて衝動買いしないなど、シンプルだけど効果的な習慣を身につければ、食品ロス削減への貢献はさらに大きくなります。
みなさんは普段からどんな風に食品ロスを減らす工夫をしていますか?廃棄食品をもらうことから始めて、食に対する意識が変わることで、より持続可能なライフスタイルへと変化していくかもしれませんね。
- 廃棄食品をもらう方法で最も手軽なのは何ですか?
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最も手軽な方法はフードシェアリングアプリの利用です。「TABETE」「FOOD GO」などのアプリをダウンロードして会員登録するだけで、近くのお店の廃棄予定食品を予約して割引価格で購入できます。スマホ一つで始められるので、初心者におすすめです。
- 賞味期限切れの食品は必ず捨てるべきですか?
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賞味期限は「おいしく食べられる期限」なので、少し過ぎても安全に食べられることが多いです。見た目や匂い、触感に異常がなければ、多くの場合は食べることができます。ただし消費期限は「安全に食べられる期限」なので、この日付を過ぎた食品は食べない方が安全です。
- 廃棄食品をもらうときのマナーで気をつけることはありますか?
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お店が忙しくない時間帯を選ぶこと、丁寧な言葉遣いで依頼すること、断られたらその決まりを尊重することが大切です。また、もらった食品に感謝の気持ちを表し、実際に消費できる量だけをもらうようにしましょう。強引な交渉や要求はマナー違反になります。
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