公文式は長年多くの家庭で選ばれてきた学習法ですが、メリットだけでなくデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
この記事では幼稚園・小学生のお子さんをお持ちの方に向けて、公文式のデメリットを中心に分かりやすく解説します。
「子どもに合った学習方法って何だろう?」と迷っているみなさんの参考になれば嬉しいです。
公文式の基本的な特徴とデメリット

公文式は「自学自習」「スモールステップ」「反復練習」を特徴とする学習法で、多くの子どもたちの学力向上に貢献してきました。
しかし、どんな学習方法にもメリットとデメリットがあるように、公文式にも注意点があります。
ここでは特に「これから公文式を始めようかな」と考えている方に知っておいてほしいデメリットについて、実例を交えながらお伝えします。
デメリット1:学習に飽きやすく「勉強嫌い」になるリスクがある
公文式では同じような問題を大量に解く「反復練習」が基本になっています。この方法は基礎力を定着させるのに効果的なのですが、一方で子どもが飽きやすいという側面もあるんです。
「最初は楽しく取り組んでいたのに、だんだん嫌がるようになってきた…」
こんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?
特に低学年のうちは、同じような計算問題を毎日解くことに飽きを感じやすいものです。ある保護者の方は、こう語っています。
「子どもが1年生の頃、最初は『できた!』と喜んでいましたが、3ヶ月を過ぎたあたりから『またこれ?』と言い始め、半年後には『公文の日』と聞くだけで泣き出すようになりました」
子どもの性格にもよりますが、反復練習が苦手なタイプの子どもにとっては、公文式の学習スタイルがストレスになることもあります。
親としては「がんばれば力がつく」と思っても、小さな子どもにとっては「つまらない」という気持ちが先に立ってしまうことも。
結果として、最悪の場合「勉強嫌い」になってしまう可能性もあるのです。特に幼稚園や低学年のうちは、学習への前向きな気持ちを育てることが最も大切な時期。
「公文=つまらない」という印象を植え付けてしまうと、その後の学習意欲にも影響しかねません。
子どもの様子を見ながら適度に休憩を入れたり、達成感を感じられるように工夫したりすることが重要です。あなたのお子さんは反復練習が得意なタイプでしょうか?それとも飽きやすいタイプでしょうか?
デメリット2:料金が割高で家計の負担になることも
公文式の月謝は一般的な地域で一教科7,150円、東京・神奈川などでは7,700円(2024年現在)となっています。2教科受講すれば、東京・神奈川以外の地域で月額14,300円、3教科だと21,450円になります。
これは決して安い金額ではありませんよね。特に気をつけたいのは、教科数に応じて料金が単純に倍になっていくということ。複数教科を受講しても割引はないのです。
例えば、小学生のお子さんに算数と国語の2教科を習わせた場合:
- 月謝:14,300円(地方)または15,400円(東京・神奈川)
- 1年間:171,600円(地方)または184,800円(東京・神奈川)
- 6年間:1,029,600円(地方)または1,108,800円(東京・神奈川)
実際に6年間続けると、100万円を超える金額になるんです!これは家計にとって小さな負担ではないでしょう。
「うちの子が公文式を6年間続けて使ったお金は100万円を超えました。改めて計算してみると、正直びっくりしました」という声もあります。
さらに、公文式では先生が教えるのではなく、プリントを自分で解くスタイル。市販のワークブックが1冊1,000円前後であることを考えると、かなり割高に感じる方もいるかもしれません。
家計の状況や他の習い事とのバランスも含めて、長期的な視点で検討する必要がありそうですね。
みなさんの家庭では、子どもの教育費として月にいくらくらい使えるでしょうか?
デメリット3:思考力が身につきにくい学習スタイル
公文式の学習スタイルで特に注意したいのが、「思考力が身につきにくい」という点です。これは公文式のシステム上の特徴から来るものなのです。
公文式では各単元の基礎的な部分のみに絞ってカリキュラムが構成されています。例えば算数でいえば、主に計算問題に力を入れており、図形問題や文章問題はあまり扱いません。
そのため、小学生であっても高校数学の微分積分まで進むことができるのですが、それは「計算」という特定のスキルに特化しているからなのです。
ある教育関係者はこう指摘しています:
「公文式で育った子どもは計算は速いのに、応用問題になると途端につまずくことがあります。数字を反射的に処理する力は付きますが、それだけでは思考力は育ちません」
実際、こんな声も聞かれます:
「うちの子は公文で計算はバリバリできるようになったけど、学校の文章題になると全然解けないんです。自分で考える力が弱いのかな…」
これは公文式の欠点というよりも、特徴と言えるでしょう。計算力やスピーディーな処理能力は確かに重要ですが、それは思考するための「ツール」の一つに過ぎません。深く考える力、問題を分析する力、創造的に解決する力などは別のアプローチで育てる必要があります。
では、あなたのお子さんにとって今、何が必要な力でしょうか?
- 基礎的な計算力?
- 文章題を解く思考力?
- 図形を理解する空間認識力?
これらをバランスよく伸ばすには、公文式だけでなく、他の学習方法と組み合わせることも検討してみてはいかがでしょうか。
公文式のその他のデメリット

公文式には上記で詳しく説明した3つの主要なデメリットの他にも、いくつか注意点があります。親目線でよく指摘されるのは以下のような点です:
- 字が汚くなりがち:時間を計測しながら問題を解くため、急いで書く癖がついて字が雑になることがあります。
- 問題を急いで解くクセ:速さを重視するあまり、問題をじっくり読まずに解答してしまい、ケアレスミスが増える傾向があります。
- 親の負担が大きい:特に小さな子どもの場合、毎日の宿題をさせるのに親の介入が必要で、かなりの忍耐と時間が必要になります。
- 拘束時間の長さ:教室では問題が解けるまで帰れないシステムのため、つまずくと長時間教室に拘束されることもあります。
- 要領のいい子は理解が浅くなる:先に進むことを優先するあまり、本当の理解が伴わないまま先に進んでしまうケースもあります。
こうしたデメリットは、すべての子どもに当てはまるわけではありません。子どもの性格や学習スタイル、家庭の状況によって、影響の度合いは大きく変わってきます。
皆さんのお子さんはどんなタイプでしょうか?公文式のデメリットを知った上で、「うちの子には合っているかな?」と考えてみてください。もし迷っているなら、体験教室に参加してみるのもよいでしょう。
公文式は間違いなく多くの子どもたちの学力向上に貢献してきた学習法です。しかし、どんな教育方法にも光と影があるように、公文式にもデメリットがあります。
大切なのは、メリットとデメリットの両方をしっかり理解した上で、お子さんに合った選択をすることではないでしょうか。
みなさんの家庭ではどんな学習法が合っているでしょうか?お子さんの性格や好み、家庭の状況なども含めて、ぜひ考えてみてくださいね。
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