知らない番号から着信があると、ドキッとしますよね。ましてや銀行を名乗る電話なら、「何かあったんだろうか?」と、なおさら不安になるのではないでしょうか。
近年、銀行員などを装った特殊詐-欺の被害は後を絶たず、その手口はますます巧妙になっています。つい焦って折り返してしまい、取り返しのつかない事態になるケースも少なくありません。
この記事では、万が一の時にあなた自身と大切な資産を守るための、安全な対応方法を3つのステップで具体的にお伝えします。読み終わる頃には、漠然とした不安が「こうすれば大丈夫」という確かな安心に変わっているはずです。
知らない番号からの着信、すぐ折り返して後悔した話

「〇〇銀行ですが、重要なお知らせがありお電話しました。至急、こちらの番号まで折り返しください」——。
こんな留守番電話が入っていたら、あなたはどうしますか?多くの方が「何か大変なことかもしれない」と、慌てて指定された番号に電話をかけてしまうのではないでしょうか。その気持ち、とてもよくわかります。
しかし、その行動が、実は最も危険な罠への入り口かもしれないのです。詐-欺グループは、私たちのそんな真面目さや不安な気持ちに巧みにつけ込んできます。
すぐ折り返してはいけない理由を知ることは、あなた自身を守るための第一歩。まずは、その背景にある3つの危険性について、一緒に見ていきましょう。
その番号、本当に銀行のものだと断言できますか
詐-欺師が使う最も古典的で、かつ効果的な手口。それは、偽の電話番号を教え、そこにかけさせることです。
彼らは銀行の名前を騙り、もっともらしい用件を伝えてきますが、指定してくる折り返し先の番号は、彼らが用意した「詐-欺専用のコールセンター」なのです。
一度その番号にかけてしまうと、電話に出るのは本物の銀行員そっくりに訓練された詐-欺師です。丁寧な口調や専門用語を使い、完全に銀行の窓口であると信じ込ませてきます。
こうなると、相手が詐-欺師であると見抜くのは非常に困難になります。すべての会話は、あなたの情報を盗むために仕組まれた罠の中。
だからこそ、着信履歴や留守電に残された番号に安易に折り返してはいけないのです。
詐欺師が使う番号
- 「050」のIP電話
- 海外からの国際電話
- 非通知の番号
これらの番号がすべて詐-欺というわけではありませんが、銀行が重要な連絡で使うことは稀です。特に国際電話や非通知からの連絡は、まず疑ってかかるべきでしょう。
相手の土俵に乗らないことが、何よりも大切です。
プロの話術に騙されないために知っておくべきこと
詐-欺グループのメンバーは、単なる素人ではありません。彼らは、人の心理を巧みに操る「話術のプロ」です。
マニュアルに沿って徹底的に訓練されており、私たちがどのような言葉に不安を感じ、どのような状況で情報を渡してしまうかを熟知しています。
警察官や銀行協会、大手百貨店の社員など、信頼できる組織の名前を次々と挙げて権威を装い、「あなただけが損をしてしまいますよ」と特別感を演出してきます。また、非常に親切で丁寧な口調で寄り添うふりをしながら、巧みに会話を誘導し、家族構成や資産状況といった個人情報を少しずつ聞き出してくるのです。
一度彼らのペースにはまってしまうと、疑う気持ちよりも「早く解決しなければ」という焦りが勝ってしまいます。
詐欺師の口癖
- 「あなただけ」
- 「特別なご案内」
- 「ここだけの話」
- 「秘密ですが」
このような言葉が出てきたら、要注意です。公的機関や金融機関が、特定の人だけに特別な取引を持ちかけることはありません。
むしろ、限定的な言葉で誘ってくるのは、冷静な判断をさせないための詐-欺師の常套手段だと覚えておきましょう。
「急いで」と言われて、焦ってしまった経験
詐-欺師が多用するもう一つの心理トリックは、「時間的切迫感」を与えることです。「本日15時までに手続きしないと口座が凍結されます」「この電話を切ったら無効になります」など、考える時間を与えずに即断即決を迫ってきます。
人は焦ると、視野が狭くなり、普段ならしないようなミスを犯しがちです。特に、お金が絡む話や「損をする」という話になると、冷静な判断力は一気に失われてしまいます。
詐-欺師はこの人間の習性を知り尽くしており、意図的にパニック状態を作り出し、ATMへ誘導したり、ネットバンキングの操作を指示したりするのです。彼らの目的は、あなたを冷静にさせないこと。
その手に乗らないためには、「急がせる話は、まず怪しい」と心に刻んでおくことが大切です。
万が一の時に自分を守る、たった3つの行動

では、実際に銀行を名乗る不審な電話がかかってきた時、私たちは具体的にどう行動すれば良いのでしょうか。パニックにならず、冷静に対処するための方法は、実はとてもシンプルです。
これからお伝えする「3つのステップ」を覚えておくだけで、詐-欺被害に遭うリスクを劇的に減らすことができます。これは、いざという時にあなた自身と、あなたが懸命に築いてきた大切な資産を守るための「お守り」のような知識です。
一つずつ、ゆっくり確認していきましょう。
焦る気持ちを抑えて、まずやるべき一つのこと
電話を切った後、すぐに折り返したい気持ちをぐっとこらえてください。まずやるべきことは、たった一つです。
それは、かかってきた電話番号を、スマートフォンやパソコンの検索エンジンの検索窓にコピー&ペーストして検索すること。
もしその番号が詐-欺に使われている悪質なものであれば、多くの場合は検索結果に「この番号は詐-欺です」「〇〇銀行を騙る不審な電話」といった注意喚起の情報や、同じような電話を受けた人たちの口コミが表示されます。これだけで、相手が偽物であると判断できるケースは非常に多いのです。
逆に、本物の銀行の番号であれば、公式サイトが一番上に表示されるはずです。この一手間をかけるかどうかが、運命の分かれ道になります。
検索で確認する事
- 公式サイトか
- 注意喚起情報
- 個人の口コミ
検索結果を総合的に見て判断することが大切です。公式サイトが表示されず、個人のブログや掲示板で「怪しい電話だった」という書き込みが複数見つかる場合は、詐-欺の可能性が極めて高いと言えるでしょう。
信じられるのは、自分の手元にある情報だけだった
電話番号を検索してもしなくても、次に行うべき最も安全で確実な行動は決まっています。それは、相手から伝えられた番号ではなく、あなたが持っている「本物」の連絡先に電話をかけ直すことです。
では、「本物」の連絡先はどこにあるのでしょうか。それは、あなたの手元にあるキャッシュカードやクレジットカードの裏面に記載されている電話番号です。
あるいは、銀行の公式サイトや公式アプリに掲載されている問い合わせ窓口の番号、郵送されてきた利用明細書なども信頼できます。これらの情報源は、詐-欺師が絶対に改ざんできない、最も信頼性の高い情報です。
たとえ面倒に感じても、この一手間を惜しまないでください。自分の目で見て確認した情報だけを信じることが、鉄則です。
正しい連絡先の探し方
- カードの裏面
- 公式サイト
- 公式アプリ
- 通帳や書類
これらの場所に記載されている番号こそが、あなたが連絡すべき唯一の正しい窓口です。スマートフォンの電話帳に登録しておくのも良い方法ですが、その登録情報が本当に正しいか、一度公式サイトなどで確認しておくとより安心です。
電話口で絶対に教えてはいけない情報とは何か
無事に正しい銀行の窓口に電話が繋がったとします。用件を確認する中で、注意すべき最後のステップがあります。
それは、安易に個人情報を伝えないということです。もちろん、本人確認のために氏名や生年月日、住所などを聞かれることはあります。
しかし、本物の銀行員が電話口で「絶対に聞かない情報」というものが存在します。それを知っておけば、万が一、詐-欺師と話してしまった場合でも最後の砦としてあなたを守ってくれます。
どんなに「手続きに必要です」「セキュリティのためです」と言われても、これから挙げる情報を電話で教えてはいけません。もし、これらの情報を聞かれた場合は、相手が本物の銀行員ではないと判断し、すぐに電話を切ってください。
電話を切る前に確認したい、怪しいサインの見つけ方

詐-欺電話は、切った後だけでなく、話している最中にも「あれ?」と感じる違和感が隠されていることがあります。その小さなサインに気づけるかどうかで、被害を未然に防げる可能性が大きく変わってきます。
ここでは、本物の銀行からの電話か、それとも詐-欺電話かを見分けるための具体的なチェックリストをご紹介します。相手の言葉の端々や、電話の状況に少しだけ注意を向けてみてください。
これからお話しするポイントを知っておけば、冷静に相手の正体を見抜く手助けになるはずです。
表示された番号に違和感を感じたら、どうするべきか
まず最初に確認すべきは、スマートフォンの画面に表示されている発信者の電話番号です。銀行のような金融機関が、個人顧客への重要な連絡で使う番号はある程度決まっています。
見慣れない番号からかかってきた場合は、まず警戒心を持つことが大切です。
特に注意すべきなのは、「050」で始まるIP電話の番号や、「+」から始まる国際電話の番号です。これらは取得が容易であるため、詐-欺に悪用されやすい傾向にあります。
また、「非通知設定」からの電話も同様です。公的な機関が重要な連絡を非通知でかけてくることはまずありません。
もし、このような番号から銀行を名乗る電話がかかってきたら、話を聞く前に、まず疑う姿勢を持つことが重要です。
注意すべき番号
- 「050」番号
- 「+」から始まる国際電話
- 非通知設定
- 知らない市外局番
もちろん、これらの番号が全て危険というわけではありません。しかし、銀行からの重要な連絡である可能性は低いと考え、慎重に対応するべきです。
知らない番号からの電話には、出ないという選択肢も有効な自己防衛策の一つです。
銀行員が絶対に口にしない、ある質問
電話の内容で、本物と偽物を見分ける最も確実なチェックポイントがあります。それは、相手が「暗証番号」や「パスワード」を直接聞いてくるかどうかです。
何度もお伝えしますが、これは絶対的な判断基準になります。
本物の銀行員は、研修の段階で「いかなる理由があっても、お客様に暗証番号を口頭で尋ねてはならない」と徹底的に教育されています。これは、金融機関におけるコンプライアンスの根幹に関わる大原則です。
もし、電話の相手が少しでも暗証番号やパスワードに関する情報を聞き出そうとしてきたら、その瞬間に相手は偽物だと断定できます。たとえ話の流れがどれだけ自然でも、相手の口調がどれだけ丁寧でも、この一点だけで詐-欺だと見抜くことができるのです。
相手のペースに乗せられないための心構え
詐-欺師は、あなたを冷静にさせないために、言葉巧みに焦らせてきます。「至急」「今日中に」「今すぐ」といった言葉を連発し、考える時間や誰かに相談する隙を与えないようにするのです。
これは、彼らの常套手段です。
このような言葉を耳にしたら、それは「怪しい」という危険信号だと捉えましょう。本当に緊急で重要な手続きであればあるほど、金融機関は慎重に進めます。
電話一本で即決を迫るようなことは絶対にありません。「急かされているな」と感じたら、一度深呼吸をして、「検討しますので、またこちらからかけ直します」と伝えて、自分のペースを取り戻すことが大切です。
相手のペースに乗せられないという強い意志を持つことが、何よりの防御になります。
相手を焦らす言葉
- 「至急」
- 「本日中」
- 「今すぐ」
- 「限定」
これらの「せかし文句」は、詐-欺師が好んで使うキーワードです。聞くたびに「これは詐-欺のサインかも」と心の中で警報を鳴らす習慣をつけましょう。
冷静さを失わなければ、騙されることはありません。
ATMで還付金がもらえる、はあり得ないと思った理由
最後に、還付金詐-欺に関するチェックポイントです。市役所や税務署の職員を名乗り、「医療費の還付金があります」「税金の払い戻しがあります」などと言って、ATMに誘導する手口は後を絶ちません。
ここで、ATMの基本的な機能を思い出してください。ATMは、基本的にお金を引き出したり、誰かの口座に「振り込んだり」するための機械です。
ATMを操作して、自分の口座にお金が「入ってくる」ことは絶対にありません。この大原則さえ覚えておけば、「ATMで還付金を受け取れる」という話が、いかにあり得ないことかがわかるはずです。
電話でATMの操作を指示されたら、その時点で100%詐-欺です。すぐに電話を切り、警察に通報してください。
最後に、あなたとあなたの大切な資産を守るために
ここまで、銀行からの電話に安全に対応するための具体的な方法について、詳しくお話ししてきました。詐-欺の手口は日々巧妙になっていますが、その根本にある心理的なトリックは、実は昔からあまり変わっていません。
それは、私たちの「不安」や「焦り」といった感情につけ込むことです。
だからこそ、最大の防御策は「正しい知識を持つこと」そして「冷静であること」に尽きます。今回ご紹介した「電話番号を検索する」「公式サイトの番号にかける」「安易に個人情報を伝えない」という3つのステップは、あなたを詐-欺の危険から遠ざける、シンプルで強力な盾となります。
少しでも「怪しいな」と感じたら、勇気を出して電話を切り、このステップを思い出してください。その小さな行動が、あなたの未来を守ることに繋がります。
そして、ぜひこの知識を、あなたの大切なご家族やご友人にも伝えてあげてください。社会全体で知識を共有することが、詐-欺を根絶する一番の近道なのですから。

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