車に黄色いステッカーが貼られていたら、まず冷静になることが大切です。
この記事では、駐車違反の張り紙として知られる「放置車両確認標章」について、その意味から対処法。
そして多くの人が気になる「出頭しないと点数が付かない」という噂の真相まで、初心者にも分かりやすく詳しく解説していきます。
正しい知識を身につけて、適切な対応を取りましょう。
放置車両確認標章(駐車禁止違反の張り紙)とは何か?

「あれ?車に黄色い紙が貼られてる!」そんな経験をしたことはありませんか?
その黄色いステッカーこそが「放置車両確認標章」です。これは道路交通法に基づいて、違法駐車を確認した証として貼り付けられるものなんです。
放置駐車とは、違法に駐車している車で運転者がその車から離れていてすぐに運転できない状態のことを指します。
ここで重要なのは、車両の停止時間の長短や車両から離れた距離、エンジンを止めているかどうか、ハザードランプの点滅といった要素は一切関係ないということです。
つまり、「ちょっとコンビニに寄っただけ」「ハザードランプを付けていたから大丈夫だと思った」という理由は通用しません。
短時間でも、ハザードランプを点滅させていても、駐車禁止場所で車から離れれば放置駐車違反となってしまうのが現実です。
この放置車両確認標章を貼り付けるのは警察官だけではありません。東京都をはじめとする多くの自治体では、選任を受けた駐車監視員が巡回しており、彼らも放置車両の確認や標章の貼り付けを行っています。
街中で制服を着た監視員を見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。
放置車両確認標章が貼られた時の2つの選択肢

放置車両確認標章が貼られてしまった場合、あなたには2つの選択肢があります。それぞれで処分の内容が大きく異なるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
選択肢1:警察署に出頭する場合
最も一般的で原則的な対応が、放置車両確認標章を持って警察署に出頭することです。この場合、運転者として責任を問われることになります。
出頭すると「交通反則告知書」、いわゆる青切符が交付されます。そして以下の処分を受けることになります:
- 反則金の納付:駐停車禁止場所等で普通車なら18,000円
- 違反点数の加算:駐停車禁止場所等なら3点、駐車禁止場所等なら2点
- ゴールド免許の失効:無事故無違反ではなくなるため
この方法では、反則金に加えて違反点数も付いてしまうため、ゴールド免許を持っている方は次の更新時にブルー免許になってしまいます。自動車保険のゴールド免許割引も受けられなくなるため、経済的な負担も大きくなってしまいますね。
選択肢2:出頭せずに通知を待つ場合
一方、出頭しない場合は車両の使用者(所有者)として責任を問われることになります。この場合の流れは以下のようになります:
まず、車検証に記載されている住所に「弁明通知書」と「仮納付書」が郵送されてきます。弁明すべき正当な理由がない場合は、仮納付書を使って「放置違反金」を納付することになります。
この方法の特徴は:
- 放置違反金の納付のみ:金額は反則金と同額
- 違反点数の加算なし:交通違反の点数制度の対象外
- ゴールド免許の継続:無事故無違反の記録が維持される
ただし、これは本来運転者と車両の使用者が異なる場合を想定した制度です。自分の車で自分が違反した場合に、この制度を利用するのは制度の趣旨とは異なることを理解しておく必要があります。
違反点数と反則金の詳細

放置駐車違反の処分内容を具体的に見てみましょう。場所や車両の種類によって金額が異なります。
駐停車禁止場所等での違反
最も重い処分となるのが、駐停車禁止場所等での違反です:
- 違反点数:3点
- 反則金・放置違反金:
- 大型車等:25,000円
- 普通車:18,000円
- 二輪車・原付:10,000円
駐車禁止場所等での違反
比較的軽い処分となるのが、駐車禁止場所等での違反です:
- 違反点数:2点
- 反則金・放置違反金:
- 大型車等:21,000円
- 普通車:15,000円
- 二輪車・原付:9,000円
さらに、高齢者や妊婦などの専用区間である「高齢運転者等専用駐車区間」や「高齢運転者等専用時間制限駐車区間」に駐車した場合は、上記金額に加えて2,000円が加算されます。
これらの金額を見ると、決して安くはありません。特に普通車で駐停車禁止場所に停めてしまった場合の18,000円は、かなりの痛手になりますよね。
繰り返し違反した場合の車両使用制限
「点数が付かないなら大丈夫」と考えて放置違反金での処理を繰り返していると、思わぬペナルティが待っています。
放置車両確認標章が貼られた日を基準として、6ヶ月以内に3回以上放置違反金の納付命令を受けた場合、その車両に対して3ヶ月以内の使用制限命令が発せられる可能性があります。
この使用制限命令を受けると:
- 自分での運転禁止:車両を一切運転できません
- 他人への貸出禁止:家族や友人に運転させることもできません
- 業務への重大な影響:仕事で車を使用している場合、大きな支障が生じます
つまり、半年間で3回駐車違反を犯し、すべて放置違反金で処理した場合、4回目からは車そのものが使用できなくなってしまうのです。これは非常に重いペナルティと言えるでしょう。
未納付時のさらなる罰則

反則金や放置違反金を納付しなかった場合、さらに厳しい措置が取られます。
車検時の制約
車検の際に放置違反金の納付または徴収されたことを証する書面を提示できない場合、自動車検査証の返付を受けることができません。つまり、違反金を納付しない限り車検を通すことができないのです。
強制徴収
最終的には財産の差押えが実施され、放置違反金および延滞金が強制的に徴収されます。銀行口座の凍結や給与の差押えなど、日常生活に深刻な影響を与える可能性があります。
「払わなければ大丈夫」という考えは通用しません。必ず適切に処理することが重要です。
借りた車で違反した場合の特別な注意
友人や家族の車、レンタカーなどを借りて駐車違反をした場合は、特に注意が必要です。
出頭しなかった場合、放置違反金の納付命令は車両の所有者に送られます。つまり、あなたの違反によって他人に迷惑をかけてしまうことになります。
このような場合は、必ず出頭して運転者として責任を取るのが適切です。他人に経済的な負担をかけるだけでなく、人間関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
まとめ:適切な対応で責任ある運転者になろう
駐車違反の張り紙である放置車両確認標章は、決して軽く考えてはいけません。確かに出頭しない場合は違反点数が加算されませんが、これは制度の抜け穴を利用するようなもので、本来の趣旨ではありません。運転者として責任ある行動を取ることが大切です。
- 駐車違反の張り紙を剥がしても大丈夫ですか?
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放置車両確認標章を剥がせるのは運転者、車両の使用者、管理責任者に限られています。それ以外の人が剥がすことは法律で禁止されており、標章を破ったり汚したりすることも禁止されています。必ず適切な手続きを経てから剥がしましょう。
- 出頭しないと本当に違反点数は付かないのですか?
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はい、出頭せずに放置違反金を納付した場合、違反点数は加算されません。ただし、これは本来運転者と車両使用者が異なる場合を想定した制度であり、自分の車で自分が違反した場合は出頭するのが原則です。
- 放置違反金を払わないとどうなりますか?
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放置違反金を納付しない場合、車検時に必要な書面が提示できず車検が通らなくなります。最終的には財産の差押えによる強制徴収が行われ、延滞金も加算されるため、必ず期限内に納付することが重要です。
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