関東で生活していると必ず使うことになるSuicaとPASMO。でも、この2つのカードって実際どう違うのでしょうか?
「どちらも同じようなものでしょ?」と思っている方も多いかもしれませんね。
実は、発行会社やポイント制度、利用できるサービスなど、意外と多くの違いがあるんです。今回は、そんなSuicaとPASMOの違いについて、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
スイカとパスモの基本的な違いとは?

実は、SuicaとPASMOには根本的な違いがいくつかあります。どちらも交通系ICカードという点では同じですが、発行している会社や対象としている路線、さらにはポイント制度まで異なっているんです。
まずは、この2つのカードがどのような背景で生まれたのか、そして現在どのような違いがあるのかを詳しく見ていきましょう。
発行会社の違い – なぜ2つのカードが存在するの?
SuicaとPASMOの最も大きな違いは、発行している会社が異なることです。
Suicaは、JR東日本が2001年に最初に導入したIC式の電子マネー付き定期券からスタートしました。つまり、JR東日本の路線を中心としたサービスとして生まれたんですね。
一方、PASMOは2007年に登場しました。こちらは関東の私鉄(東京メトロ、都営地下鉄、東急電鉄、西武鉄道、小田急電鉄など)や民間のバス会社が中心となって作られたものです。
「なぜ一つにまとめなかったの?」と疑問に思いませんか?実は、それぞれが独自にシステムを開発していたため、統一するのが技術的に難しかったんです。
でも現在では、どちらのカードも相互利用が可能になっているので、SuicaでもPASMOエリアを利用できますし、その逆も可能です。
知名度と発行枚数の差
実際の数字を見てみると、Suicaの方が圧倒的に多く発行されています:
- Suica: 約8,759万枚(2021年9月末時点)
- PASMO: 約4,000万枚(2021年4月時点)
なんと、Suicaの発行枚数はPASMOの約2倍なんです!これは、Suicaの方が先に登場したこと、そしてJR東日本という大きな路線網を持つ会社が発行していることが影響しています。
また、Suicaは全国的な知名度も高く、関東以外の地域でも電子マネーとして広く認知されています。北海道のKitacaや関西のICOCAなど、他の地域の交通系ICカードとの相互利用も可能なので、旅行先でも使いやすいというメリットがあります。
ポイント制度の違い – どちらがお得?
ここが一番気になる部分かもしれませんね。ポイント還元率によって、長期的に見るとかなりの差が出てきます。
Suicaのポイント制度 – JRE POINT
Suicaを使うと、JRE POINTというポイントが貯まります。
オートチャージ時のポイント還元:
- 1,000円につき15ポイント(1.5%還元)
- 例:3,000円オートチャージ → 45ポイント獲得
電子マネー利用時:
- JRE POINT加盟店で100円または200円につき1ポイント
- 貯まったポイントはSuicaにチャージしたり、駅ビルでの買い物に使える
パスモのポイント制度 – クレジットカード連動
PASMOの場合は、一体型クレジットカードのポイント制度に依存します。
一般的なPASMO一体型クレジットカード:
- オートチャージ時:0.5%還元
- 例:3,000円オートチャージ → 15ポイント獲得(15円相当)
TOKYU CARD(WEB明細申込の場合):
- オートチャージ時:1.0%還元
- 例:3,000円オートチャージ → 30ポイント獲得
この数字を見ると、オートチャージの還元率ではSuicaの方が有利だということが分かりますね。
実際の利用シーンでの違い
通勤・通学での使い分け
JR線をメインに使う場合:
- Suicaの方がポイント還元率が高い
- 新幹線の利用でもポイントが貯まる
- 駅ビル(アトレ、ルミネなど)での買い物でポイント優遇
私鉄をメインに使う場合:
- PASMOの方が各鉄道会社独自のポイント制度を利用できる
- 東京メトロなら「メトポ」、東急なら「TOKYU POINT」など
- 乗車ポイントが付く場合もある
買い物での利用
Suica:
- 全国的に利用できる店舗が多い
- コンビニ、スーパー、自動販売機など幅広く対応
- 地方に行っても認知度が高い
PASMO:
- 基本的にはSuicaと同じ店舗で利用可能
- ただし、地方では「PASMO対応」の表示がない場合も
- 実際には使えることが多いが、店員さんが困惑することも
解約・払い戻しの違い
意外と知られていない違いがここにあります。
PASMO:
- 払い戻し手数料が無料
- チャージ残高とデポジット(預り金500円)が全額返却される
- 気軽に解約できる
Suica:
- 払い戻し手数料が最大220円かかる
- ただし、買い物で残高+現金の組み合わせ支払いができるため、端数まで使い切りやすい
短期利用の場合は、PASMOの方が経済的と言えるかもしれませんね。
クレジットカード一体型の選び方
両方ともクレジットカード一体型があり、オートチャージ機能が利用できます。
おすすめのSuica一体型クレジットカード
ビュー・スイカカード:
- 年会費:524円(税込)
- オートチャージ:1.5%還元
- JR東日本の利用に特化
「ビュー・スイカ」カード:
- 定期券機能付き
- JRE POINTが効率的に貯まる
- 駅ビルでの優待特典
おすすめのPASMO一体型クレジットカード
OPクレジットカード(小田急):
- 年会費:初年度無料、2年目以降550円
- PASMOオートチャージ:0.5%還元
- 小田急ポイントサービス加盟店でお得
ソラチカカード(ANA To Me CARD PASMO JCB):
- 年会費:初年度無料、2年目以降2,200円
- ANAマイル、メトロポイント、JCBのポイントが貯まる
- 東京メトロ利用でボーナスポイント
どちらを選ぶべき?ケース別おすすめ
Suicaがおすすめな人
以下の条件に当てはまる方は、Suicaを選ぶのがお得です:
- JR線を頻繁に利用する
- 新幹線を使う機会がある
- 駅ビル(アトレ、ルミネなど)でよく買い物をする
- 全国各地に出張や旅行に行く機会が多い
- オートチャージでのポイント還元率を重視する
PASMOがおすすめな人
以下の条件に当てはまる方は、PASMOを選ぶのがお得です:
- 私鉄(東京メトロ、東急、西武、小田急など)をメインに利用する
- 特定の私鉄沿線に住んでいて、その鉄道会社のポイント制度を活用したい
- 短期間の利用予定で、解約時の手数料を抑えたい
- ANAマイルを貯めている(ソラチカカード利用の場合)
実は両方持ちという選択肢も
「どちらか一つを選ばなければならない」と考えがちですが、実は両方持つという選択肢もあります。
両方持ちのメリット:
- 定期券はPASMO、普段使いはSuicaという使い分けができる
- 一方のカードが使えないトラブル時のバックアップになる
- それぞれの特典を最大限活用できる
両方持ちの注意点:
- 管理が複雑になる
- 年会費が2倍かかる(クレジットカード一体型の場合)
- ポイントが分散して効率が悪くなる可能性
まとめ
SuicaとPASMOの違いについて詳しく見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
結論として、JR線をよく使うならSuica、私鉄をよく使うならPASMOが基本的な選び方です。ただし、ポイント還元率を重視するなら、現時点ではSuicaの方が有利な場合が多いです。
最終的には、あなたの生活パターンや利用する路線、重視するポイント制度によって選ぶのが一番です。どちらを選んでも、関東での移動には全く問題ありませんので、安心してくださいね。
- SuicaとPASMOは相互利用できますか?
-
はい、SuicaとPASMOは相互利用が可能です。SuicaでPASMOエリアの私鉄に乗ることもできますし、PASMOでJR線を利用することもできます。ただし、定期券機能については一部制限がある場合があります。
- ポイント還元率はどちらが高いですか?
-
オートチャージ時のポイント還元率は、Suicaの方が高くなっています。Suicaは1,000円につき15ポイント(1.5%還元)、一般的なPASMO一体型クレジットカードは0.5%還元です。ただし、一部のPASMO一体型カード(TOKYU CARDなど)では1%還元の場合もあります。
- どちらのカードを選ぶべきですか?
-
主に利用する路線によって選ぶのがおすすめです。JR線をよく使う方はSuica、私鉄(東京メトロ、東急、西武、小田急など)をよく使う方はPASMOが適しています。また、全国各地で利用する機会が多い場合は、知名度の高いSuicaの方が便利です。
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